バハ プンタサンカルロス

2007年 ゴールデンウイーク 【メキシコ バハカリフォルニア】
移動5日 現地6日 計11日


☆野ケンタくんたちのウエイブサファリ!
Reported by ☆野

「Punta San Carlos, Baja MEXICO」何年か前に雑誌で知ってから、ずっと憧れだった場所。インタ-ネットが発達してからもこれといった情報もなく、わかっていることといえば、そこに極上の波とサ-ファ-用の快適なベ-スキャンプがあることのみ。まず、サンカルロスへは、どんな悪路を走破することができる4WDでもってしても、俺らみたいな素人日本人には辿り着くことはできない。なぜなら、景色に変化のない広大な砂漠を抜けていくのだが、サンカルロスは地図に載っていないのだ。

「solosports」 20年ほど前からサンカルロスでベ-スキャンプを仕切っているちいさな会社。春から秋にかけて年に20回くらいツア-を主催しており、秋に翌年の年間スケジュ-ルが発表される。ツア-というのは、サンディエゴのホテル〜ベ-スキャンプまでのバンによるトリップと滞在中の朝・昼・夜の食事とロング、ショ-ト、最新のウインドサ-フィンの道具一式のレンタルが含まれて$1,900.00といったもの。だからメキシコに入ってしまえば一切お金は必要ないのだ。
去年の秋、2007年のスケジュ-ルをパソコンの画面でみた時、興奮しているのか、緊張しているのか体中の血液が熱くなったのを覚えている。そこには2007年のGWと被るスケジュ-ルがあったからだ。その瞬間自分が極上ウェイブを満喫しているイメ-ジが浮かび上がり、少しだけ夢のサンカルロスが現実的なものに近づいた気がした。当然、一人では心細いので道連れを探すべく、何人かに誘いのメ-ルを送り、極上の波の写真を見せたり、you tubeの動画を見せたりしながら、メンバ-を集めた結果、波ジャンキ-が自分も含めて5人も集まった。ほとんどのやつが30歳を過ぎて会社でもそこそこのポストで責任のある仕事に就いていたりするのに、5人のうち2人は仕事を辞め、1人は10年に一度取ることができるリフレッシュ休暇とかいうやつを取り、もう1人は出発直前までパソコンで仕事をしていた。。。いけっち、菊ちゃん、ユウポン、たか、ハンパ無くテンションの高い奴ら。今回一緒にトリップできて最高な時間を過ごせたのは、極上の波とこいつらがいたおかげだ。
そして出発の日。
1週間くらい前からずっと喉が痛くて薬を飲んだりしていたが、よりによって出発の日に限って朝起きると全身ダルくて、しかも喉がさらに痛い。。。 完全に風邪が悪化してしまった。。。 とりあえず長いフライトが楽なように上下ベロアの黒のプ-マのヤンキ-仕様なジャ-ジを着込んで出発!風邪薬のおかげで飛行機の中は熟睡zzz 乗換えもスム-ズにいってあっというまにサンディエゴに到着!現地は昼間で天気も最高! 空港には3週間前から乗り込んで語学留学していたいけっちが迎えにきてくれたが、ずっとヒゲをそっていなかったらしく、戦争が終わったこと知らずに取り残された日本兵みたいだった。。。 そのままDAYS Innにチェックインし、しんどかったけどサンディエゴでゆっくりできるのは今日しかないのでトロリ-に乗りショッピングセンタ-へ。いつもならテンション上がって買い物しまくるところだったが、風邪がさらにひどくなってきて、ピザハットにすわったまま、みんなの買い物を待つことに。 それから今度はダウンタウンへ移動し、いけっちのクラスメイトたちと一緒に晩メシを食うことに。途中で降りてホテルに帰ろか迷ったけどひとりでメシ食うのは寂しいので無理して一緒に行った。連れていってもらった店はやたらテンション高いスポ-ツバ-で、クラスメイトの子たちも来たけど、しゃべんのも大声じゃないと無理やし、1時間で先に宿に帰ることにして薬飲んで寝た。
翌朝、まだ体はダルかったけど10時にソロスポ-ツのケビンが迎えにくるので準備してホテルのロビ-で待機。10時ごろになってカイトやらサ-フボ-ドやらウィンドサ-フィンの道具やらを運んでくる連中が集まりだし、同じにおいを感じたんで、メキシコに行く人たちですか?っていう挨拶から始まって全員と簡単な自己紹介をしあった。びっくりしたのは、本当に世界中から集まっていて、フランス人、カナダ人、イスラエル人等インタ-ナショナルなことだった。
しばらくして11人乗りのバンでトレイラ-をひっぱりながら今回のツア-のオ-ガナイザ-であるソロスポ-ツのケビンが現れた。がたいもでかく、ぱっと見た感じは、いかついけど、最高に陽気な奴で、そのおかげでみんなが一気に打ち解けることができた。とりあえずセスナで現地入りするメンバ-を空港へ送り、残された俺ら五人とカナダ人のティムはケビンと一緒に陸路メキシコ☆バハカリフォルニアのプンタサンカルロスへ。
30分くらいで国境を越えたが、国が変わった瞬間ブロックを積んだだけのいまにも崩壊しそうな家が並んでいて国の貧しさを感じた。
4時間くらい走って国道沿いの途中の小さな超メキシコ的な町でメキシコ料理をくい、さらに4時間くらい走り、途中いかつい軍人による検問を数ヶ所通過しながら、日も暮れかかった頃、サンカルロスへ行く途中の最後の町であるエルロザリオでガソリンを入れ、これから走るオフロ-ドに備えてタイヤの空気を抜いた。エルロザリオを過ぎてすこし走ると国道から逸れ、すでに日も落ちて真っ暗な中、ガタガタのオフロ-ドを時速50kmくらいで約2時間走り、最後の30分はすでに道ではなくなり、岩の上を走っているような感覚で車のどこかにしがみついていないといけないような状態だった。すでにセスナ組は到着していて今日のコンディションとか天気予報を聞いたり明日からの生活を想像したりしながら、テキ-ラを飲んで早めに一人にひとつ与えられるテントにもぐりこんであったかい寝袋に入った。

The day 1

朝起きると曇り空で風が吹く気配は全くない。とりあえず、朝飯を食ってキャンプ内をウロウロする事に。ボ-ドを置いてあるラックの一番上にパドルボ-ドを発見したんで、たかといけっちが海に入っていった。最初はテイクオフに戸惑っていたが、なれてくると2人ともサイズは小さいながらもいい波に乗ってロングライドを楽しんでいた。
俺は風邪が完治していなかったので、見とくだけにしようと思っていたけど、午後からサイズが上がってきたんで9,2のロングボ-ドを借りて入水。一番アウトのデカいセットに標準を絞って波乗り。陸から見ているよりもサイズがあり、パワ-もあったんで思っていたより楽しかった。

The day 2

朝起きると昨日同じ曇り空… とりあえず朝飯食ってチャリで変化のない広大な砂漠を旅することに。 今日はサ-フポイントをチェックしながらかなり南まで走る。するとだいぶ先に村みたいな集落がみえたんでそこまで行ってみることに。そこはチャリで近付くほど雰囲気が怪しくなっていき、20軒くらいの家やトレイラ-があるものの、人の気配が全く感じられない漁村だった。しばらく村を探検していると、沖の方に船で漁をしてる人がこっちに向かってフルスロットルで向かっている気がしたのであわてて逃げるように村を後にした。 それからキャンプに戻り、午前はロングボ-ドで目の前のポイントでケビンも一緒に1ラウンド。相変わらず海でもテンションの超高い奴だ。波はセットで肩くらいあり板の上を移動しながらボトムタ-ンからリッピング! ちゃんと決まったのは一回だけだけどロングでのリッピングは板がデカいだけにかなりいかつかった! 午後は外科医のぶちギレたジェフとチャリで五分のリ-フのポイントでショ-トで入る。 いいポイントがあるから行こうぜって誘ってくれたのはいいが、毎朝岩の向こうのアウタ-リ-フの激ヤバなところで乗ってる奴の平均基準が解らんのでかなりビビりながらついていったけど、そこのポイントは出る時こそ岩と岩の間から出ないと行けないが、いったん出てしまえば頭サイズのマシンブレイクがあった!しかもジェフと2人だけなんでピ-クから波乗りたい放題!!やっぱりショ-トの方が板も動くし、スピ-ド速いしテンションがあがる!
夜は蟹と鳥とアスパラガスとテキ-ラでお腹いっぱい! 普通、こういうところでは今日の波とかライディングの話とかすると思うけど下ネタオンリ-で夜が更けていった。 てかメキシコ最高☆

The day 3

今日も朝起きると曇り空で、朝飯のパンケ-キを食べてまったり。みんな昼寝したり本を読んだりカメラの手入れをしたりとそれぞれおもいおもいの過ごし方をしている。ここではみんなバケ-ションを楽しんでいるので誰もガツガツしていないのだ。 とりあえず目の前のポイントでサイズが少し上がってきたのでロングボ-ドでサ-フィン。セットは肩くらいまで上がりロングライド可能な波。それから昼飯を食って昼寝しているといつのまにか快晴に! さらにサイズが上がっているような気がしたので今日もチャリで五分のポイントにいけっちとたかと行くことに。 今日はかなりクラシックなツインフィッシュのレプリカモデルの6,5のショ-トボ-ドを借りて入水。 かなりアウトから割れてくる波は最初なかなかタイミングがとれなかったけど、慣れてくるとピ-クから出て超スピ-ディロングライド! 後からユウポンもきてみんなでマシンブレイクの頭オ-バ-の波を乗りまくり!しかも日本ではなかなか味わうことの出来ない距離を走れるため、1人が波に乗ってくと帰ってくるのに時間がかかるのでポイントは常にガラガラ。あまりにも波がいいんで太陽が向こうの山にかかってあたりが金色にそまりだす頃まで夢中でみんなで乗り倒した。

The day 4

今日は朝から快晴! いつものポイントをチャリでチェックしに行き、風が吹いてきそうなんで早めに目の前のポイントでサ-フィンすることに。昨日から使い始めたツインフィッシュのショ-トボ-ドで2時間ほど入り、風が入ってきたので海から上がってウィンドのセッティングをし始める。 このツア-のみんなが3日間ウィンド出来てないので、みんなかなりハイテンション! まだ吹き上がってないのにジェフが我慢できずに出てみるみるうちにとなりのポイントまで流されてケビンがバンで助けに行っていた!
とりあえず5.8で出たけどすぐにオ-バ-。5.2に張り替えたけど、それもまたオ-バ-になったんで、昼飯をはさんで4.0+ミストラルBEASTの67Lでることに。 波は最高で延々続くレギュラ-ブレイク。当てても当てても続くんで途中で膝がガクガクになり、もうええわって本気で思うような波。ジェフは巧くてイスラエル人もかなり巧かった。さんざん乗り倒して晩メシのときはみんなで今日のコンディションについて簡単な英語を駆使して喋りまくり。野口プロを知ってる外人も多くて、ここで強烈なル-プをしてたとかいろいろ教えてくれた。
それにしても、ノルウェ-からきた地質調査隊が最後の夜なんでかなりハイテンション♪そのなかに1人日本人の方もおられて、お互いへんぴなところで言葉の通じ合う人にあったことで意気投合し、異業種交流会みたいになっていた。
彼らの話を聞くと、カリフォルニア半島は恐竜が住んでいた頃は海底にあったらしい。
今日は満月が強烈に明るい一日やった。

The day 5

今日も朝から快晴! 朝飯くったり、なんやかんやしてたら、すぐに吹き出し、昨日よりオフがかっていたが、強烈な風。とりあえず3.7で乗る。かなりオ-バ-やったけどフランス人のオリバ-とジェフと俺しか海にいないんで波はほとんど取りたい放題! あまりにもきつくなってきたんで、一旦上がって夕方再度入水。 サイズは最小の3.5。日本でも使ったことのないサイズ。波もでかくなってて、いかつい頭オ-バ-の波に乗ったけどビビってすぐにワイプアウト。。。それを陸で見ていたジェフが本日のbiggestな波に乗ったけど、7回強烈なセットが頭に降ってきてたぞって教えてくれた! いや、ジェフ、ごっつい笑顔で言うけどマジで死ぬかと思っててんぞ!
ライフラインの来ていないバハでは、1日に9L温水の入ったパックが与えられる。その温水で体を洗った後の心地いい疲労感の残った夕方、夕食前の前菜タイムでは、枝豆を作ってくれて、世界中のやつらが枝豆も食いながらビ-ルやテキ-ラを飲んでるのが笑えた。最初よりはみんなかなり仲良くなっていて、今日のお前のバックル-プはいかつかったとか、みんなで集合写真を取ったりした。
食後は「チ-ムアメリカ」とかいうかなりブラックな映画を観て、そのあとは満月のなか、月明かりに照らされた波とゴアトランスとテキ-ラと、行ったことはないが多分イビサってこんな感じなんかな?って思った。
ほんとにアメリカ人って楽しむことに命をかけててめちゃ楽しい。プンタ サン カルロス、マジで来て良かった!

The day 6

今日も朝から快晴で風は昨日より落ち着いている。今日は最後なんで4.2でチリボウルまで一気に下る。そこはかなりきれいな頭オ-バ-のいい波が割れてたが、くそくそオ-バ-になってきたんで撤収。。。午後からはさらに上がってきて3.7オ-バ-。。。 そんななか、誰も出ていない海に菊ちゃんだけが、ひとりバリバリ乗っていてさすがに林崎や浜の宮で流されて修羅場をくぐりぬけてきたヤツは気合いというか根性が違うと思った。見てても安心できるし、由良川にもしょっちゅう練習しにいってるみたいやしここ数年で目覚しいレベルアップだ。
夕方風が少し落ち着いて、波もサイズアップしてきたんで再び出たけどバックル-プで板の上に足から落ちて捻挫して終了。骨折れたかと思った。。。
それからシャワ-を浴びてまったりしているとたかが慌てて俺の名前を叫びながら戻ってきた。話を聴くとユウポンが記憶喪失になって肩も上がらずに岬の手前の玉石のところに座って動かないと言うことだったんで、クラ-クとジェフとたかとでバンに乗ってレスキュ-に。本人に話を聴くとデカイ波に巻かれてからの記憶がなくて、なんか夢をみながら気付いたら浜に座っていたとのこと。ヘルメットは真ん中から割れていたんで、デカ波に巻かれたときに海底の岩で頭をぶつけて記憶をなくしたまま、奇跡的に浜に打ち上げられたんやろう。。。 たかが気付かんかったら大事故になっていたと思うし本当に不幸中の幸いだった。多分ヘルメットをかぶっていなかったら、脳天をかちわって今頃アザラシの餌さになっていたと思うと誘った者として寒気がしたし、本当に無事で良かった。

The day 7

朝、6時頃起きていよいよ出発の準備。俺らは朝一出発でセスナ組は夕方の出発だったんで、みんなでメ-ルの交換をしたり記念撮影をしたりした。6日間、いかついコンディションやファンなコンディションの中、一緒に海に入ってきて、別れるときにはすっかり連帯感というか、同じスポ-ツをしているもの同士の仲間意識みたいなものが芽生えていた。また、どこかで一緒に海に入ることを誓ってみんなとバイバイ。
帰りはティムがセスナだったんで、ケビンと俺ら日本人だけだった。国境を越えるのに1時間くらいかかったがスム-ズにアメリカへ再入国。
一旦、ホテルにチェックインして、すぐにお土産を買いにトロリ-で再度メキシコのティファナへ。かなりディ-プなところをウロウロして買い物。ドミノピザに入ったけど全く英語が通用せずに注文に大苦戦。。。そこまではまだよかったが帰りに国境のとこで立ちションしてて、警察に壁に手をつかされてポケットとか全部チェックされる。。。今おもうと幾ら金をもってるか調べたかっただけのような気がするが。。。
それからポリとひと悶着あってから、速攻アメリカに再入国。
そんなこんなでいろいろあったけど、時間と金はかかるが、とてもプライスレスな経験ができたトリップだった! ウェ-ブする人にはぜひ行ってもらいたいポイントやし、俺自身もまだ体が動くうちにもう一回必ず行きたいとおもった♪

黒ヘル☆野くんのリッピング しびれます!!

大量の写真の中から勝手にピックアップさせていただいています。

編集の際、写真の順番は前後しているかもしれませんが、あしからず。(N)


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